社会人大学院へ行こう!(『サンデー毎日』8月号掲載記事)


いま、大学院が元気である。今年新設される大学院の研究科・専攻・課程は、全国で200以上にもなるという。そして、多くの大学院が、社会人の受け入れに積極的である。近頃よく耳にするようになった社会人大学院とは、学部を卒業しすぐに進学する従来の大学院とは異なり、実務経験を持った社会人が主に働きながら夜間や土曜日に通学する大学院のこと。「土曜日大学院」などとも呼ばれている。

14日に渋谷マークシティ17Fのルネッサンスセンターで、その社会人大学院への進学希望者を対象としたユニークなイベント、「プレ大学院講座」が開かれた。社会人大学院の老舗、多摩大学大学院(中谷巌学長)と、現役社会人大学院生が中心になって組織したNPO「社会人大学院研究機構」が、広く社会に社会人大学院の魅力を広めようと企画、共催したもので、約80人の熱心な市民が参加した。

「論文の書き方」と題して講演した、齋藤毅憲・横浜私立大学大学院教授は、「社会人が大学院に通い、働きながら修士論文を書くのはつらい作業だが、修了した院生に聞くと、ほとんど全員が『終わってみれば楽しかった』と答える。みなさんも頑張ってほしい」と、参加者に熱いエールを贈っていた。

このイベントはNPO(非営利組織)と大学院(学校法人)の共同作業という革新的はスタイルで運営され、「大学院で学ぶことの魅力をライブ感覚で体験できた」など、参加者の評価も上々。今後ますます増えていくNPOの活動にひとつの方向性を示した事例として、早くも各方面から注目を集めている。

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